上巻 「第十一講 手紙の礼法」より 「殿と樣」






色々な殿と様

  

[殿と樣] 今日では官名、公名には殿を用ゐ、私名にはを用ゐることになっている。此の殿の書き方が昔は非常にやかましく、七通りも八通りもあったが、つまり上輩ほど楷書に近く書き、下輩ほど草書にし、最も卑(ひく)いところへは假名で書くのである。(章末に委しく延べる)こんな煩瑣(はんさ)な事は今日では行はれぬが、目上に対する時楷書に近く念入(ねんいり)に書くことだけは心得ておかねばならぬ。

 (ページ作成者注: 現在でも年輩の方の中には、下が「永」の「樣」を「永様」、「水」の「様」を「水様」と呼んで使い分ける人がいる。)

 

 














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