DB(ドイツ鉄道)の利用方法


 これから、ドイツに行かれる人 のため、DB(Deutsche Bahn、ドイツ鉄道)の利用方法を簡単にご紹介します。
なお、このページは、あくまで「ドイツだけを」「ある程度の日数」旅される方を対象にしています。ヨーロッパの複数の国を旅される方は、こ こで紹介しているのとは別の切符を買った方がよかったりします。また、情報は2004年9月現在のものです。

(1) German Rail Passの使い方

 ドイツ国内を主に鉄道で移動し、かつ4日以上滞在するなら、このパスが便利と思います。周遊券の 一種で、1等と2等がありますが、ICE(Inter City Express)を含めた特急電車も近郊電車も乗り放題になります。料金は、4日間−1等で$260です。2等なら$180です。私は今回初めてで様子が わからなかったので、1等にしましたが、2等でも十分きれいだし、日本と違ってレールが広軌なため座席も広く、2等で十分でした。むしろ1等車はたいてい ホームの端に止まるので、駅で歩く距離が多くなってしまいます。
 German Rail Passは外国人専用です。行く前に日本で購入していった方が楽です。JTBなど大きな旅行代理店で取り扱っています。ただ、ドル建てですので、レートの 計算の仕方はよく確認しましょう。インチキな代理店だと、かなり手数料を上乗せしたレートにしている場合があります。また、届くまで1週間程度かかります ので、余裕をみて購入しましょう。
 このパスは、Validationといって、実際に使用する前に有効にしてもらう手続きが必要です。この手続きは日本でもやってもらえます が、一回有効 にしてもらうとキャンセル・変更ができません。キャンセルや変更の可能性があるなら、現地でやってもらうことになります。
現地の駅の中のReisezentrum(旅行センター)などでやってもらいます。英語でOKです。
 下の画像中にも書きましたが、ドイツ人の数字の書き方はちょっと癖があります。間違えられないように気をつけましょう。日本式に「7」を書く と「1」と 間違えられる可能性があります。「7」の場合は横棒を1本加えます。ドイツでの手書きの「147」はこんな感じです。





(2) 指定席の取り方


 ドイツでは、号車によって、指定席車両、自由席車両という区別はありません。席のところに、液晶表示か、紙カードで、予約が入っている場合は その区間が 表示されています。それがない席は、いわゆる自由席になりますので、座って構いません。
 今回、大体において予約しておかなくても座れるような状況でしたが、一応事前に座席予約はしていきました。(日本の旅行代理店では、予約まで はやってく れません。)
 予約は、ドイツ鉄道のHPで行います。クレジットカードが必要です。(通常のクレジットカード 番号と有効年月日以外に、クレジットカードのサイン面の、サインの上に書いてある番号の下3桁の入力が必要になります。)英語表示もありますので、トライ してみてください。似たような名前の駅がたくさんあったりして、結構大変です。指定席代は3オイロ(ユーロ)です。なお、乗り換える場合は、最低20分く らいの余裕を見ておいた方が無難です。DBは10分〜20分程度の遅れは日常的なようで、15分くらいの乗り換え時間だと間に合わ ない場合があります。今 回、2回ほど、予定していた接続列車に乗れませんでした
 ちなみに、日本のように指定席券というものは存在しません。HPで予約した場合は、確認のメールが来る筈ですから、それを証拠としてプリント アウトして 持参しましょう。
 座席には、喫煙席(Raucher)と禁煙席(Nicht-Raucher)、Grossraumという日本と同じ座席と、 Abteilungというコ ンパートメント式のとがあります。ICEの1等のAbteilung席には、テーブルがついているので、ノートPCを車内で使う人には便利です。(さすが に電源まではなかったですが。)ICEの1等の車内は、右の写真のような感じです。




(3) S-Bahn(近郊電車)の切符の買い方

 ドイツの近郊電車は、長距離電車とは別にS-Bahnと呼ばれています。 (Stadtbahn=都市列車、の略、Strassenbahn=路面電車と勘違いしやすいので注意。ちなみに地下鉄はU-Bahn= Untergrundbahn。)小さな駅だと長距離電車と並んだホームになっていますが、ミュンヘンなどではS-Bahnは地下ホームになっていまし た。German Rail Passを全日程分使えば、S Bahnも乗り放題ですが、今回、1日だけ飛行機での移動が主だった日があって、切符を買いました。下の写真がDBの近郊電車用の切符です。


 

 日本人がとまどうのは、まず改札が存在しない ことです。これは長距離電車も、近郊電車も同じです。Inter City Expressなどでは、車内で車掌が回ってきて検札があります。近郊電車用の方は、検札はまずありません。したがってやろうと思ったら無賃乗車も可能で しょうが、車内の広告に「無賃乗車は40オイロ(約5000円)の罰金」とありました。切符の自動販売機は、駅構内よりも、ホームの上にあることが多いよ うです。ここで切符を買って、なおかつ、刻印機で購入した時間を刻印する必要があります。(たいてい自動販売機のすぐ近くに刻印機があります。)切符を 買っても、刻印していないと、検札があった時に、無賃乗車になってしまうようです。
 ただ、自動販売機での切符購入は、慣れていないと結構大変です。何度も近郊電車に乗る場合は、1日券などのパスを窓 口で購入する方が無難です。私も、ベ ルリンで、3駅までの料金は1.2オイロなのを知らなくて、全部Aゾーン用の2オイロ券(上の写真)を買っていました…また、ベルリンのABゾーン用1日 券(Tageskarte)は5.6オイロなので、何回も乗るならこちらの方がお得です。


(4) その他もろもろ

 自分が予約した電車が、どのホームに止まるかは、大きな駅なら、表 示板を見れば出ています。それ以外に、どんな駅でも、その駅専用の時刻表があって、出発(Apfahrt、黄色)、到着(Ankunft、白色)で分けら れてどこかに張ってあります。これを見て、自分の乗る電車がどの車線(Gleis)から出るかを確認します。上記で書いたように、大きな駅では近郊電車は 地下ホームになっている場合もありますので気をつけてください。
 またICEなどの特急列車については、下の写真のように、何号車がどこ(ドイツでは、A、B、C…Hの表示)に止ま るかが表示されています。




 ただ、これが非常に信用できない表示で、実際には、平気で1号車分くらいずれて止まることがほとんどでした。列車が止まってあわてて走らない でいいよう に、中間的な位置で待っているのがいいようです。

 その他、ミュンヘン中央駅から、ミュンヘン空港まで乗った列車では、前の2両と後ろの4両で途中で行き先が分かれるものがありました。日本で もたまにあ りますが、そういう時は間違った方に乗らないように、車内の表示などでよく確認しましょう。

 また、駅の顧客窓口みたいなところで、行き先を言えば、乗り換える駅や時間、番線まで即座にプリントアウトして渡してくれます。これはなかな か便利なの ですが、上記のように、10分程度の遅れは日常的なので、書いてある乗り換えが間に合わないこともあり、ちょっとなんだかなあでした。他にもICEの1等 車両にはその車両専用の時刻表が供えられていて、すべての停車駅の乗り換え情報も書いてあるのですが、これも同じ理由で役に立たないことがありました。

 最後に。ドイツの列車のドアは、自動では開きません。ICEなどは、緑色のボタンを押します。(Auf、と書いてあるはずです。)閉める方が 赤です。 (Zu、と書いてあるはずです。)ローカル電車は、レバーをひねって押して開けます。ちょっと慣れがいるので、できる限り降りる時は先頭にならない方が無 難です。



  (2004年10月2日作成)

戻る