思い出のコーリーコムタン+ヘジャンクク編
 
 
 
 
 
 3日目の晩は、コーリーコムタンが食べたくて、大学路(テハンノ)の「パクソソンお ばさんのコムタンの店」へ。大学路で店を探しましたが、看板は一緒ですが、店の名前は「ウガチョンソルロンタン」に変わっていました。
 
 このコーリーコムタンは、ソルロンタンとよく似ていますが、牛のテールを煮込んだスープです。このお店で は、下の写真のように洗濯タライよりも大きな鍋でバーナーを使ってぐつぐつ煮込んでいます。昼間食べた蔘鶏湯の鶏を牛に変えたようなものですが、味はかな り違います。ソルロンタンと同じように、塩、コショウ、唐辛子粉で味を調えて、好みに応じてカクトゥギキムチや白菜キムチ、ネギなどを中に入れていただき ます。大きな干しぶどうみたいに見えるものはナツメです。

 
 
 
 以前、韓国のある財閥会社の東京支社の方に、お正月に上司の家で日本のお正月を味 わってもらうため招待した御礼に、その方の自宅(東京)に招待してもらったことがあります。その時にいただいた料理が、このコーリーコムタンと、クルビと いうイシモチのような魚を干したものでした。どちらも大変おいしく、その方の思い出と共にいつまでも忘れられない味になっています。今回、クルビの方も、 ロッテデパートの地下食品売り場で買って帰ろうかと思いましたが、ちょっと大きめのは20万ウォン以上するので、残念ながら手がでませんでした。

 この店では、もう一種類、1人前だけ、ヘジャンククというのを注文してみました。これは、解腸汁と も、解醒汁とも書くようで、二日酔いの特効薬だそうです。要は、牛のモツ煮込みですが、写真でコンニャクみたいに見えるのが問題で、これは牛のの煮こごりだそうです。おそるおそる食べてみましたが、ちょっと臭みがありますが、なかなか いけました。香港の茶餐店でも、モツ入りの麺を食べましたが、それに比べれば臭みも少ない方です。しかし、本当に二日酔いの時には気持ち悪くならないんで しょうか...それとも疲れた肝臓や膵臓を癒すために、牛の内臓を食べるのがいいんでしょうか...

 お値段は、コーリーコムタンが10,000ウォン、ヘジャンククが4,000ウォンと実に経済的で した。



余談:
 
漫画の「美味しんぼ」で、韓国の人が二日酔い醒ましの妙薬として、「チゲ」(というより、実際に紹介さ れているのは唐辛子がたくさん入ったメウンタン)を勧める、という話があります。この話は2つの意味でおかしいと思います。
  • 韓国では、「テンジャンチゲ」とか「スンドゥプチゲ」のような具体的な言い方はしても、「二日 酔いにはチゲがいい」などとは言わないと思います。日本語で、「味噌汁」「すまし汁」のような言い方はしても、「汁」とは言わないのと同じです。この漫画 のせいで、「チゲ」がなにか独立の料理のように勘違いされて、その結果、「チゲ鍋」というおかしな表現が生まれてしまいました。(鍋鍋っていう意味になり ますから。)                                                            
  • 二日酔い醒ましの話で、そのものずばりのヘジャンククが出てこないのはおかしい(「ヘジャン」 がまさに「二日酔い醒まし」という意味なので)。また、ヘジャンククとして珍重されるのは上の写真のような牛の血の煮こごりを入れたソンチグクと、干した スケソウダラのスープであるプゴグクです。この2つとも、味付けは塩胡椒による比較的あっさりしたもので、唐辛子を大量に入れたりはしません。アルコール で痛めつけられている内臓を、さらに唐辛子やニンニクで強烈に刺激するようなものを、「モメチョッタ」(体に良い)思想が徹底している韓国の人が、二日酔 いの特効薬として勧める筈がありません。
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