素晴らしきKPOPSの世界3(「よい子の韓国歌謡曲3」)



 
 
 

 2000年の2月以来、韓国にはご無沙汰していて、KPOPSのCDの買い出しが出来ていません。しかたがないので、東京出張の時に新大久保の韓国広場で買ったり、Web通販を利用したりして細々と集めています。

 昨年11月に久しぶりに韓国に行った時に買ったCDの次の集が次々と発売されています。



チョ・ソンモ v.s.イー・ジョンヒョン

 2月に行った時、この2人が出ている携帯電話のTVCMを見ました。デートの帰り道、女の子(イー・ジョンヒョン)がどこかに電話しているけど、相手が誰か教えてくれない。がっかりして家に帰ったチョ・ソンモの携帯にVoice Mail が...聞いてみるとイー・ジョンヒョンからで、さっきのメールはこれだったと大歓びのチョ・ソンモ...という他愛ないものです。でも、このCMは大ヒットして、チョソンモ人形まで売り出されたとか。

 そんな韓国を代表する2人の新しいアルバムが出ました。チョ・ソンモのは、1月の2.5集に続く3集、イー・ジョンヒョンは大ヒットした1集に続く2集です。
 チョ・ソンモ第3集は、まず豪華なジャケットに圧倒されます。普通のCDの縦2倍のサイズに、MVの内容から取った何と34ページ写真集付き!今回はベトナム戦争物...(韓国軍がベトナム戦争の時アメリカ軍に参加していたのは事実です。ちょっとやばそうな感じがします...)写真集の中の出演者を見ると、映画「シュリ」に出ていた人もいるみたいです。
 2.5集の時は、色々なジャンルの曲にトライして、芸域の広さを聴かせてくれましたが、3集は2集の延長線上というか、ひたすらクサく、チョ・ソンモ節を歌い上げています。きっとアルバム売り上げ記録の更新と年末の各種大賞の独占を狙っているんでしょう...

 大衆に媚びる路線をひた走るチョ・ソンモに対し、同じアイドルでもイー・ジョンヒョンは、1集でひたすら聴かせてくれた「変なネーチャン」路線を突っ走ります。日本の雑誌のKPOPS紹介で、イー・ジョンヒョンのことを「癒し系」と書いてありましたが、ちょっと違います。どちらかというと、韓国伝統のムルダン=巫女タイプです。日本で言うなら「卑弥呼」ですね。(見たことないけど) 2集のモチーフはエジプトですので、まあクレオパトラですな...
 全体に1集よりはトンガリぶりが減って聴きやすく完成度も上がっています。時々とても魅力的な声を聴かせてくれるので、チョ・ソンモでなくてもけっこう蠱惑(こわく)されてしまいます...

 しかし、この2人を見てると、男性優位社会といわれた韓国も過去のもの、という感じです...



Sharp v.s. コヨーテ
 

 Sharpも第3集が発売されました。女性ボーカルが3人から2人に1人減ってしまいました。同時に表記も変わって、S#arpから、普通のSharpへ。でも韓国では本当にメンバー変更多いですね。Sharpもアルバム作る度に変わっていることになります。
 そのメンバー変更ですが、3集を聴いた限りでは、マイナスのようです。3人の女性ボーカルの声の違いを楽しむ、というのがほとんどなくなってしまいました。名曲Tell me tell meは幻の名作になってしまいました。それでも、全体の水準はそこそこで、タイトル曲のチャルデッソ、カジマなどは耳に残ります。

 コヨーテはまだ新しいアルバムは出ていませんが、こちらも男性メンバー1人が変更になるのだとか。順番が逆ですが、第1集を入手しました。こちらもとても良かっただけに、メンバー変更の次のアルバムへの影響が懸念されます。
 



番外対決 CHAKRA v.s. モー娘。

 最近出たアルバムではなく、春頃出たものですが、CHAKRAというのは女性4人組でインド風ファッションで歌い踊るグループです。カレーすらほとんど食べない国でのインド風がまともである筈はなく、色物以外の何者でもありません。というわけで、日本の色物代表のモー娘。に対決していただきましょう。というか、モー娘。の「恋のダンスサイト」とCHAKRAの曲のアレンジがそっくり。どっちが真似したというものでもなく、どっちもインド映画ブームに便乗した安直それ風アレンジだと思いますが...
 全然お勧めしませんが、色物好きの人はどうぞ。でも4人ともアルバム写真を見るかぎり大したことないですが...
 



ソテジワアイドゥル、ソテジ Come back
 

 この夏のKPOPS界の最大の話題はなんといっても、ソテジのカムバック。1992年にソテジワアイドゥル(ソテジと少年達、という意味→アイ「子供、少年」、ドゥル「達」、で決して「ソテジはアイドルだよ」と自分で言っているわけではない)という3人組グループでデビューし、1996年に電撃的に解散しました。
 「GOODBYE BEST ALBUM」という最後に出たベストアルバムを聴いてみました。ヘビーメタルサウンドに、韓国の土俗的な味を加え、その上に韓国語ラップを乗せ、さらに時にはリリカルなメロディーも聴かせます。韓国で大ヒットしたのはよくわかります。「ナン アラヨ」「ウリドゥルマネ チュオク」なんかはとても気に入りました。現在のKPOPSの基本的な傾向はソテジがもたらしたということですが、納得できます。
 そのソテジは、グループ解散後、アメリカに在住。98年にソロアルバムを出した以外は沈黙を守っていましたが、この夏にインターネットでカムバック宣言を行い、アルバムを発表、さらに帰国してコンサートを行いました。そのアルバムを入手しましたが、サウンド的には、ヘヴィメタ色が一段と強まっています。それに、曲の中でインターネットへのダイヤルアップアクセス音を入れたり、曲が一旦終わって約6分間の沈黙の後、突然また曲が始まったりと、かなり実験的です。そういう意味では大衆的ではなく、聴きやすい物ではありません。
 とはいえ、今後の活動には目を離せないところです。
 
 

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