シジュウカラの子育て


      

2007年3月初旬、野鳥の餌台に続 いて、思い立って巣箱をかけてみました。巣箱は、「木箱やドットコム」 で売っていたものを買いました。借家住まいなので、設置場所は限られていて、ベランダか玄関脇の選択肢しかありませんでした。ベランダにすると、洗濯物に フンなどをされて近所から苦情が出るといけないので、玄関脇にしました。しかし我ながらツバメじゃあるまいに、こんな軒下の巣箱に入るのだろうか と不安でした。高さもやっと2mくらいというところでした。(後で知りましたが、実はシジュウカラ用には2〜2.5mが最適なんだそうです。)
巣箱のことも、ほとんど忘れかけていた、連休明けの5月8 日、巣箱 の下にコケが落ちていました。そういえば、朝部屋の外からシジュウカラの「ツツピー」がやたらと聞こえるようになっていました。
少し離れて観察していたら、間違いなくシジュウカラが出入りしていました!
餌台の時に使った、Webカメラをセットし下から撮影し始めたら、このように、巣箱から首を出すシジュウカラが写りました。(5月21日)



巣作りの5月8日頃から、5月末までの約3週間は、卵を産ん でそれを暖めていたのでしょう。オスが一日6−7度エサを運びこむ以外は静かなものでした。

どうも6月1日頃、ヒナが孵ったようです。急にオス、メス共 に出入りが増えました。それがいけなかったのか、6月2日の朝、Webカメラをチェックしてみたらとんでもないものが写っていました!ネコは5分くらい、 巣箱をいじってから去っていきました。幸い、穴が小さいので中には手を出していませんが、取っ手を開けられたらやばいところでした。

巣箱最大の危機に、急いで対策しました。餌台で脂身をやる時 に使っていた金網で簡易鉄条網を設置しました。カナバサミでところどころ切断して毛羽立たせてあります。また、いたずらで巣箱を開けられないように、開閉 部をガムテープで固定しました。カラス対策にもなります。(巣箱の3大敵は、ネコ、カラス、ヘビです。)

次の朝(6月3日)、Webカメラにはそれでもネコが写って いました。(右端)ただ、鉄条網効果で近くには寄れていないようでした。

全面防衛体制が発動されて、このようにさらにガムテープに画 鋲を刺した簡易地雷を設置。これでネコの足場をなくしました。さらには、巣箱の近くのフェンスにもネコが登れないように、「キャットカット」というプラス チック製の鉄条網を設置しました。



6月5日。これでようやくネコも近づかなくなって、オスとメ スが交互にせっせとエサを運んできます。

6月8日。エサを運んで来ても、巣箱に直行せず、こうして近 くの電線に止まって、鳴き声で呼びかけてから、安全を確かめて巣箱に入っていきます。シジュウカラってエサをくわえていても、鳴き声を出せることに初めて 気がつきました。
6月13日。こちらはパパさんですね。くわえているのはヨト ウムシか何かでしょうか。この頃から、巣箱の中からはっきりとヒナがさえずるのが聞こえてくるようになりました。エサを運んでくるのはこの頃はまだ30分 置きぐらいでしたが、 巣立ちの間際だとほとんど10分置きぐらいでした。

巣箱の穴は27mmになっているそうで、シジュウカラでもギ リギリのサイズです。出入りがちょっときつそうですが、かといって穴径を30mm以上にすると、スズメが先に巣を作ってしまうことが多いそうです。 27mmならスズメは入れません。

6月16日。こちらはママさんの方で す。卵を産んで暖めてい たせいか、オスより心なしか痩せています。(シジュウカラのオスとメスは、胸のネクタイ模様の太さで見分けます。太い方がオスです。)段 々とエサもパワーアップしてきています。これ はミミズでしょうね。

シジュウカラのヒナは、両親からエサをもらうと、同時にフン をします。このフンを巣の中に残しておくと、汚れるのと、匂いでヘビやカラスなどの外敵を呼び寄せてしまうため、シジュウカラの両親は、すぐに口でくわえ て巣の外に持って行きます。
フンは白いゼリー状の物質でくるまれていて、見ていても汚い感じはしません。

巣の中は、私は刺激しないように巣箱を開けて撮影したりしていませんが、こうした様子は、YouTubeの次のビデオでよく確認できます。
http://www.youtube.com/watch?v=bx1fWvPTk8U
http://www.youtube.com/watch?v=x1Hqwo0mgqk&NR=1

6月17日。いよいよ巣立ちが近いらしく、エサを運んできて も巣箱にすぐ運ばないで、まず電線の上から「出ておいでー」と言わんばかりに鳴いていました。パパとママが珍しくツーショットです。

6月18日。ついに巣立ちの日を迎えました。
11時頃から14時くらいまで、推定で7−9匹のヒナが巣立っていきました。仕事があったので、Webカメラでしか撮影出来なかったのが残念です。ただ、 Webカメラをグレードアップして130万画素から200万画素にしたのが最後の日に何とか間に合いました。ヒナの中には、穴のところで首を出したり引っ 込めたりして、なかなか決心がつかないのもいましたが、大半は結構あっさり巣立ちしていきました。

ネクタイ模様が一羽ずつ違いますが、もうちゃんとシジュウカ ラの身体になっています。孵化から巣立ちまで、約17日でした。
2−3週間ぐらいが普通のようですが、晴れの日が多く、両親が順調にエサを集められたからやや早めになったのでしょう。

Webカメラに「おかげさまでウチの子供達も無事に巣立てま した」ってお礼を言っているようなパパさんの姿が写っていました。こういう時シジュウカラのネクタイ模様っ てぴったり!巣立ちおめでとう。お疲れ様!

巣立った後は、あれほど頻繁に出入りしていた巣箱にはまった く戻らなくなりました。それを確認して、夜巣箱を降ろして中を開けてみました。コケのベッドの上に、動物の毛が散らしてあります。どこからこれだけのコケ を集めて来たのか、ちょっと感心しました。これだけの巣をシジュウカラのメスだけでほとんど1日で作ってしまうそうです。
やはりYouTubeに、巣作りから巣立ちまで色々あります。

巣作り
http://www.youtube.com/watch?v=xhjx52KRw9M
抱卵
http://www.youtube.com/watch?v=I3_5gs2ApDU
孵化・子育て
http://www.youtube.com/watch?v=xtWzP1tb5PI
巣立ち
http://www.youtube.com/watch?v=cA4rAfxqXVE

中を取り出してみました。1個だけ孵化しなかった卵が残され ていました。比較のため、100円硬貨を置いてみましたが、それと比べても本当に小さな卵です。うずらの卵のさらに半分くらいでしょうか。

巣箱は洗ってまたかけ直しました。もしかすると今シーズンもう1回入ってくれないかと期待しています。

これは、オマケです。たまたま同時期(6月17日)に近所に ムクドリの巣を発見しました。マンションの3Fのベランダの屋根裏に穴が開いていてそこに営巣したものです。シジュウカラに比べると、体が大きいせいか、 ヒナの数自体は少ないようです。
この子達もシジュウカラ同様、無事に旅立っていけていればいいなと思います。



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