韓式旅館入門


 今回の旅は、年末で航空券代がかさんだこともあって、滞在費は抑えようと思いました。それで、泊まりはホテルではなく、韓式旅館にしました。仁川空港から605-1番のバスに乗って約1時間、鍾路のYMCAホテル前で降ります。このYMCAホテルの裏が、「ピマッコル」と呼ばれる怪しい路地です。その中に、安い旅館や「荘」と呼ばれるホテルより格下の宿泊施設が集まっています。

ピマッコル


 歩き回って、Webで見たことがある「東山旅館」も見つけましたが、さすがにあまりにみすぼらしそうなのと、呼んでも誰も出てこなかったのでパス。ちょっと西側に入って、多少外観がまともそうな「荘」クラスらしい、「プンニョン荘」(豊年荘?)にしました。1泊3万ウォン(約3000円)。この旅館、場所柄ラブホテルとしても利用されてプンニョン荘 いるようでした。というか、それが主目的?実際に入っていくカップルを目撃しています。とはいえ、別に日本のラブホテルのように、それ専門の設備があるわけではなく、一人で泊まっている人もたくさんいました。多目的安ホテルとでも言うべきでしょう。

 安さの割には、備品は充実していて、オンドル部屋を頼みましたが、
次のものが装備されていました。

(1)クーラー
(2)壁に取り付けた扇風機
(3)21型ぐらいのTV
(4)鏡
(5)冷蔵庫(中にミネラルウォーター2本)
(6)整髪料など化粧品数本、ヘアブラシ(新品ではない)
(7)タオル2組
(8)歯ブラシ2本、歯磨き
(9)ドライヤー
(10)電話
(11)布団2組
(12)シャワー付きバスタブ(ただし栓なし(^_^;))
(13)洗面器X2
(14)シャンプーと石鹸
(15)トイレ、トイレットペーパー

 韓国の場合、安いホテルだと、歯ブラシとかシャンプーはないことが多いので、そういう意味ではむしろ充実しています。

 部屋とバスルームはこんな感じです。

プンニョン荘室内
プンニョン荘バスルーム

 このバスルームに耐えられるかどうかで、このクラスの旅館に泊まれるかどうかが決まりそうです。もっとも、風呂は近くのサウナに入りにいけば、わずか4000ウォン(400円)で豪華な入浴が可能です。

 暖房はオンドルだけで、上掲の敷き布団の上に、掛け布団1枚ですが、寒いということはなく、むしろ日によっては暑いくらいでした。もっといいホテルになると、オンドルの調整もできるようですが、このクラスではダメでした。

 この手の旅館、釜山でも泊まったことがありますが、床は決して清潔とはいえないので、今回はスリッパを持参しました。(安ホテルに限らず、日本人はホテルの室内を裸足で歩く人が多いようですが、世界中のホテルは土足OKが原則なので、やめた方がいいと思います…)

 問題があったのは、セキュリティー。これははっきりいって価格に比例します。一応鍵をもらったのですが、ドアがボタンを押して閉めると鍵がかかる奴で、3日目にうっかり鍵を室内に置いたまま、ドアをロックしてしまいました。こんなの普通のホテルなら、ボーイさんに言って、マスターキーで開けてもらっておしまいです。しかしながら、このホテルでホテルのアジュンマにその旨言うと、なんと渡されたのは1本のナイフ!これでこじ開けろということらしい。一緒に泊まった同僚と悪戦苦闘して、ドアの隙間からナイフをこじいれてドアの爪の部分を動かそうとしましたが、何度やってもだめ。そのうちホテルのアジョッシ(オジサン)が登場し、ナイフやドライバであれこれやってくれますが、これもダメ。結局鍵屋さんを呼んで開けてもらう羽目になりました。

 その後は懲りたので、鍵はフロントに返して、外出時は貴重品を全部持ち歩くようにし、部屋に鍵はかけませんでした。それで問題ありませんでしたけど、こういうトラブルに耐えられない人は泊まらない方がいいです。また、鍵トラブルの時、外から入れないかと非常階段もチェックしましたが、これもモノが通路をふさいでいて、非常時には役に立たなそうでした。

 最後に、場所は、鍾路タワーから30mくらいのところです。鍾路通りの北側で、鍾路タワーから歩いて、Mr.ピザと花屋の間を10mばかり入ったところです。





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