素晴らしきKPOPSの世界4(「よい子の韓国歌謡曲4」)



 
 
 

 お待たせしました。2月の釜山旅行の時に仕入れてきたKPOPSの試聴記と最新KPOPS状況の紹介です。

 釜山のCDショップは、国際市場近くの国道レコードがガイドブックで紹介されていました。けれども確かにこの店は枚数はそれなりにあるようですが、古いCDが多くて最新版を頼むと倉庫から持ってきたり、とちょっと店のやる気が感じられませんでした。むしろ光復通りを歩いていて見つけたSKC Plazaの方が、最新版KPOPSは探しやすかったことをお伝えしておきます。
(2001年3月12日記)

                 



Position v.s. S.E.S. , YIIK

 今、KPOPS界はちょっとした日本ブームです。日本の曲のカバーが正式に解禁になったのが2000年のことで、素晴らしきKPOPSの世界2で紹介したPositionの「Blue Day」(浜田省吾の「もう一つの土曜日」のカバー)や来生たかおのGood bye dayのカバー曲(歌:キム・ジャンフン)がヒットしました。そのPositionの最新版は、何と全曲が日本曲のカバー。サザンの「愛の言霊」、尾崎豊の「I Love you」、その他「世界中の誰よりずっと」、古いのでは因幡晃の「わかってください」まで入っています。浜田省吾の時は、ハマショウの世界をそれなりに韓国語に移していて良かったのですが、今度のははっきりいって無節操。まるで個人がカラオケで歌ったのを集めたみたいです。サザンの愛の言霊は、元の日本語版は言葉遊びやフランス語風発音もじりなどがありますが、そういうものは韓国語でうまく再現できていません。
 日本曲のカバーとしては、なんとS.E.S.の新しいアルバムのタイトル曲もそうで、原曲はMISIAの「つつみこむように…」です。といっても私は原曲知らないんですが...(^_^;)韓国のS.E.S.の公式サイトで30秒ほどさわりを聴くことができます。でもWaveファイルで5MB以上ありますから、ダイヤルアップの人はご注意を...
 日本曲のカバーではなく、日本人でKPOPSに挑戦してトップアイドルになったのが、日本でも Doggy Bag でデビューした松尾兄弟のY2K。松尾兄弟と韓国人ギタリストの3人グループです。今回第2集を始めて聴いてみました。聴く前はかなり偏見があった(しょせん松尾兄弟の外見だけで売れたグループ?)のですが、聴いてみるとこれがなかなか。正当派アイドルロックって感じで好感が持てました。松尾兄弟の韓国語も、ややフリガナ付きの歌詞をそのまま読んでいるような感じもしますが、黙って聴かせれば日本人でこれが日本人のボーカルだとは気がつかないでしょう。



BoA v.s United N-gerenation

 続いて、有望新人2組。BoAちゃんは、13歳(デビュー時、現在は14歳)の「世界を目指す」大型新人女性歌手。イメージ的には「太陽政策キャンペーン娘(ウソ)」、韓国版「ひまわり娘」(ふる〜、でもジャケットがそうなんです)、しかしてその実体は歌って踊れる韓国版沖縄ダンススクール系です。実際に日本でダンスの勉強したみたいです。ご覧になりたい方は、SM Entertainmentの公式ホームページをどうぞ。このページでは、アルバムの後続曲の「SARA」のサビの部分を聴くことができます。この「SARA」というのはBoAちゃんが飼っているネコの名前だそうで、HPではそのネコの写真もあります。「サーラ、サーラ」ってシャンプーのCM曲ではありませんが、聴き出すと結構はまります...アルバムにはVideo CDのMVもついています。
 もう1曲なぜかはまったのが、男性デュオUnited N-generation長いので以下UNの「Hyusik」という曲。だるいオネーチャンのバックコーラス(It's OK, it's all right by me ...)で始まり、きわめてアナログなアレンジでサウンド的には新しさのかけらもありませんが、なぜか心にしみるものがあります。この2人、一見美形風で、よく見るとジャケット写真で靴ひもがほどけていたりと、どこか抜けています。韓国では男同士でも、友人なら手をつないだりするのですが、この2人もそういう一見モーホー風。その路線の大家は、なんといってもチョ・ソンモですが。(笑)

追記:2001年3月14日 BoAちゃんのHPで流れる曲は既に別の曲に変わりました。また、BoAちゃんがなんとあのAvexからで日本デビューするそうです!



Baby V.O.X  v.s Fin K.L.

 次は、女の戦い。韓国で女性グループといえば、この2組とS.E.S.です。日本のファンの間では、「知名度のS.E.S.、人気のFin K.L.」という感じです。ではBaby V.O.Xはというと、これまでは少女漫画で朝パンをくわえたまま学校に走る3枚目キャラクター路線(全員ではないけど)という感じでした。それが今回の第4集ではしっとりオネーサマ系にがっつりイメチェン成功。タイトル曲の「Why」は、このしっとり路線の代表で、秀逸な曲です。
 対抗するFin K.L.も、タイトル曲「Now」は優るとも劣らない秀曲です。全体の安定感は、これらの3つのグループの中でトップではないでしょうか。



イ・ジフン v.s. キム・ソンジプ

 釜山のSK Plazaで、一番目立つところに置かれて、店に来る人が皆手に取っていたのが、このイ・ジフンのアルバム。韓国最大手のSM Entertainmentの所属のバラード系男性歌手です。タイトル曲の「イニョン(人形)」は同じ事務所の超アイドルグループH.O.T.のカンタが作曲したものだそうです。アルバムのタイトルが「Lee Jeehoon Special with…」で、全体に誰かに曲を作ってもらったりとか、デュエットとかしたものです。
 同じくバラード系で、「第2のチョ・ソンモ」ともいわれるキム・ソンジプ。でも、正直試聴した感想は「どこが...」という感じです。全体にイメージが暗めでもったりした感じです。曲のアレンジも古すぎ。下手すると70年代サウンド。



コヨーテ、 シン・ヘチョル

 メンバー交代で心配されたコヨーテ(韓国は本当にメンバーチェンジが多い)ですが、見事第3集でカムバック。ジャケットは病院風で、シンジの網タイツ看護婦姿が...椎名林檎かお前は。ただ、第1集、第2集ほどの魅力は正直ありませんでした。
 今回買った中ではジャケットとタイトルの変さで選んだのが、シン・ヘチョル。なんせタイトルが「ヴィトゲンシュタイン」で、ジャケットは、首3つ手6本の阿修羅姿のシン・ヘチョル。これで中身がまともだったら奇跡ですが、期待通りとっても変(笑)。韓国版「帰ってきたヨッパライ」。シン・ヘチョルは10年選手のベテラン歌手ですが、アルバムはほとんどコミック・ソング集大成風。



ユー・スンジュン補足
 

 古いCDのある国道レコード店のメリットで、ユー・スンジュンの1997年のデビューアルバム「West Side」を手に入れることができました。スバK3.5(素晴らしきKPOPSの世界3.5)で、ユー・スンジュンの歌詞に頻出する「West Side」の謎についてご紹介しましたが、そのものずばりの「West Side」を聴いてみてもよくわかりませんでした。単なる西海岸の意味みたいですが、在米僑胞の間で東と西の争いがあるのかどうかは知りません。それよりこの第1集はf○ckとかs○tとか、その手の単語のオンパレードで、デビュー当時のユー・スンジュンは(今も?)アメリカのいかれた不良のにーちゃん、って感じだったということがよくわかりました。
 
 

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